Rezūm(レジューム)

Rezūm(レジューム)導入のお知らせ

当院では、前立腺肥大症(BPH)に対する新たな治療選択肢として、Rezūm(レジューム)水蒸気治療(Rezūm™ Water Vapor Therapy) を導入いたしました。

身体への負担が少なく、排尿症状の改善が期待できる低侵襲治療です。

欧米では10年以上の実績があり、高い効果と安全性が確認されています。

「入院せずにできる手術」として注目されています。

Rezūmとは?

Rezūmは、専用の内視鏡デバイスで前立腺内に短時間の水蒸気(スチーム)を注入し、余分な前立腺組織を熱で縮小させる治療法です。壊死した組織は1~3か月ほどかけて体内に吸収され、前立腺が縮小することで下部尿路症状(頻尿・残尿感など)が改善されます。

当院がRezūmを選んだ理由(患者さまにとっての利点)

  • 低侵襲で身体への負担が小さい:入院が短く済み、回復が早いことが多い治療です。日帰りでも可能です。
  • 排尿症状の改善が持続する実績:臨床データで長期(最大5年)にわたり症状改善が示されています。
  • 性機能の維持に配慮:従来の外科的手術と比べ、勃起機能や射精機能の維持が期待されるデータがあります。
  • 中〜大きめの前立腺にも適用可能:製品や試験で示された適応範囲に基づき、さまざまな症例での有効性が報告されています。

治療の流れ(概略)

  1. 外来での診察・検査(前立腺サイズの確認、血液検査、尿検査など)
  2. 同意説明・日程調整
  3. 術中は局所麻酔または低用量の全身麻酔で実施(患者様の状態に合わせます)
  4. 内視鏡を用いて、前立腺内の必要箇所に数秒間ずつ水蒸気を注入
  5. 術後は尿道カテーテルを留置します(通常3〜7日程度)。 期間は前立腺の大きさや症状によって変わります。尿閉で既にカテーテルを留置している患者さまの場合は、やや長めに(1〜2週間程度)留置し、その後に抜去試験を行います。
  6. カテーテル抜去後は排尿状態を確認し、多くは数日〜数週間で日常生活に戻れますが、排尿症状の完全改善は1〜3か月ほどかかる場合があります。

よくあるご質問(Q&A)

Q: 入院は必要ですか?
A: 多くの場合は日帰りまたは短期入院で対応可能ですが、麻酔方法やご年齢、合併症の有無により異なります。

Q: 性機能への影響は?
A: 臨床データでは、勃起機能や射精機能が比較的保たれる傾向が示されています。ただし個人差があるため術前のカウンセリングで詳しく説明します。

Q: 再手術の可能性は?
A: 長期観察で再手術率は低い報告が出ていますが、症状や前立腺の状態によっては別の治療が必要になることがあります。

Q: 尿道カテーテルはどのくらい入れますか?
A: 多くの場合3〜7日程度の留置です。尿閉がある患者さまでは1〜2週間程度とやや長めに留置し、その後の排尿状態を確認して抜去します。

Q: 副作用・合併症はありますか?
A: 術後の一時的な血尿、排尿困難、尿路感染、排尿症状の一時的な悪化などが報告されています。詳しいリスクは術前にご説明いたします。

当院でのご案内

Rezūmは、薬物療法で改善が不十分な方や、より低侵襲な手術を希望される方の選択肢の一つです。ご興味がある方は、まずは外来でご相談ください。担当医が適応可否を判断し、最適な治療プランをご提案いたします。