血尿とたんぱく尿の違いは?
血尿
血尿には見た目で判断できるケースと、尿検査をしてわかるケース(尿潜血)があります。
このうち肉眼で判断できるケースは痛みを伴わない場合、腎がんや尿管がん、膀胱がんなど悪性腫瘍の可能性もあるので注意が必要です。
尿潜血の場合も重大な病気の初期症状である可能性がありますので泌尿器科の受診をしてください。
たんぱく尿
たんぱく尿は遺伝的に糸球体の壁が薄い(菲薄性)のものや体質的なものもあれば病気が原因によるものとあります。
尿中に含まれるたんぱく量が1gを超えると腎臓病の可能性が、3.5g以上を超えるとネフローゼ症候群の可能性があります。
ただし、膀胱炎や腎盂炎などでもたんぱく尿が検出されることもあります。しっかり見極める必要があるので泌尿器科を受診してください。
尿でわかること
尿の成分や量などは毎日変化します。体の状態を教えてくれる情報の宝庫です。
自分で健康状態をチェックできる簡単な方法なのでご自宅でもチェックしましょう。
尿の色は正常か?
尿が赤い ・・・血尿。尿路感染、尿路結石、癌の疑いがあります。
尿が濁る ・・・尿に細菌が混入している可能性があります。
尿の色が薄い ・・・糖尿病や多量に水を飲んだ時に薄まって無色になります。
黄褐色の尿がでる・・・肝臓病などで肝臓の代謝物が尿中にでてきます。
尿に泡がたつ ・・・糖尿病など尿の浸透圧が高い場合におきます。
尿のにおいは?
強いアンモニア臭・・・膀胱炎など細菌が原因です。
甘ったるい臭い ・・・お酒を飲んだあとや糖尿病の方、血糖値が高い状態におきます。
尿量は?
尿量が多い ・・・糖尿病による多尿や尿崩症。
尿量が少ない・・・脱水状態。または腎機能が悪くなると尿量が減少し浮腫をきたします。
クリニックでおこなう尿検査でわかること
尿たんぱく
正常な尿からはたんぱく質がでることはありません。
尿たんぱくの検査は腎臓の働きをみる検査で腎機能障害の診断にもちいります。
尿糖
尿糖も正常な尿から出ることはありません。
腎機能が低下しているときや
血糖値が高く腎臓の処理能力を超えた場合に尿に糖がでてきます。
尿糖が検出された場合は糖尿病の可能性もあります。
尿潜血反応
尿に血液がまじっている状態でたんぱく尿とは違います。
腎臓や尿路、膀胱から出血している場合に検出されます。
尿ビリルビン
ビリルビンは胆汁に含まれる色素で正常な尿からは検出されません。 しかし、胆汁の流れが悪くなると血中にビリルビンが増え、腎臓から尿に 排泄されます。
ビリルビンが尿に含まれると褐色尿になり黄色の泡たちます。
ビリルビンの陽性反応がでた場合は急性肝炎や肝硬変、胆道閉塞などの疑いはあります。
尿ウロビリノーゲン
正常な尿が黄色いのはこのウロビリノーゲンによるものです。
ウロビリノーゲンとは古くなった赤血球が肝臓などで分解されビリルビン
という胆汁色素となって腸内で分解、生成されたものでその一部が腎臓を経て
尿から排出されます。
急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変などで肝臓の働きが悪くなると、尿中ウロビリ
ノーゲンの量が増えます。
うろビリノーゲンが検出されない場合も異常で、胆道閉塞など胆汁の流れが悪く
なってるときに陰性となります。
尿PH(ペーハー)
尿の㏗(水素イオン濃度)を測る検査です。
尿の酸性・アルカリ性を調べる検査です。
健常者の尿は㏗5~8の範囲です。
尿沈査
尿を遠心分離機にかけて沈殿した物質を調べます。
異常の有無を調べます。