自己導尿について
なんらかの原因でおしっこを上手に出すことができなくなってしまった場合に、それを助ける手段として「自己導尿」があります。
自己導尿とは、患者様自身が自らの手で尿道から膀胱内に細い管(カテーテル)を挿入し、尿を体の外に排泄する方法です。
おしっこをしたくてもなかなか出ない・・・
おしっこが漏れる・・・・
おしっこを出してもまだ膀胱に溜まっている感じがする(残尿)
など、骨盤内手術後や各種の神経疾患によって神経因性膀胱炎になり、排尿障害を起こしてしまった方に適応します。
自己導尿をはじめるにあたって
自己導尿をする上で一番大切なことは「きちんと続ける」ことです。
患者様の中には一回だけの治療でたまにしたらいい・・
少しは自力でおしっこをまだ出せるからしなくてもいいとお考えの方もいます。
そうではなくて
「自己導尿をきちんと続けること」が大事です。
自力でおしっこをだすだけでは膀胱の中に尿がのこってしまいます。
尿が膀胱内に残ることの方がリスクが高いので自己導尿は看護師の指導のとおりに定期的におこなってください。
自己導尿を続ける事で
1.腎機能を守ります
残尿が残ると尿路感染を起こしそれが腎臓まで感染してしまったり、 または水腎症をおこしてしまいますが、自己導尿をすることで定期的に 膀胱を空っぽにできるので腎機能を健康に保つことができます。
2.膀胱機能の改善が期待できます
尿が残ってしまうと膀胱はいつも広がった状態になり 膀胱本来の筋肉がうまくできません。
自己導尿をして膀胱の中を空っぽにすることで膀胱本来の筋肉の運動を 再現できるので膀胱機能の回復をみこめます。

3.尿路感染のリスクが低くなります
常に膀胱の中に尿が残っていると細菌が発生しやすくなり
尿路感染になりやすくなります。
また、カテーテル挿入時に膀胱に細菌が入り込んだとしても、
一定の時間ごとに自己導尿をすることで
菌も一緒に排尿されるので、尿路感染症を予防できます。

4.社会生活への復帰が可能です。
尿道カテーテルや採尿バックを接続したままの生活と違い、 自己導尿は定期的に自分でできるので職場や学校、 旅行などへの社会参加も可能です。自己導尿の仕方
- 手を洗います。
- 手を洗えないときはウエットティッシュなどで手をふきましょう。
- 衣服をさげて導尿しやすい姿勢をとります。
- おしっこの出口(尿道口)をきれいに清浄綿でふきとります。
- カテーテルを尿道口に挿入します。
- おしっこをしっかり出しきってください。
- おしっこを出し終えたらカテーテルをゆっくり引き出します。
- カテーテルを水道水で洗浄します。
カテーテルの内腔まできれいに洗ったらキャップをはめて消毒液の入ったケースに戻します。
注意
自己導尿のときに激しい痛みや、カテーテルが尿道の途中でつかえて入らない時には、決して無理せず医師に相談して下さい。
